猛暑による飼育巣箱の管理

猛暑による飼育巣箱の管理

猛暑による飼育巣箱の管理

巣落ち防止対策の実施について(7/22現在23~29連続猛暑予想が出ています)

今年の福岡地区は、梅雨明けと同時に35度を超える猛暑の到来している。朝日と共に9時すぎには30度に近づく為、巣箱に太陽光が直射当たる場所はスノコを下げるか寒冷紗などで直射を防ぐ対策を速球に行って下さい。

巣落ち発生時の対処方法

➀巣箱リフターで巣箱を30㎝程持ち上げて、落ちた巣板をタッパーやビニール袋に収納します。その際、蜂が付いている場合はブロアー等を用いて祓い落とします。➁蜜漏れしていたら底板は水洗いします。蜂が群がっている場合蜂が群がる場所に近づけて静かに移動させます、移動のきっかけは、群れを柔らかい刷毛か軍手で静かに押してあげると移動が始まります。

蜂達が巣箱にも取らない場合の処置

蜂達が巣箱の外や底板に群がる場合、空の巣箱を準備し群れの移動を促しやすい場所に巣箱をセットします。蜂達が独自に空の巣箱に入り易い様に静かに誘導します。(ブロアーや強い誘導は避けて下さい)

 

メントールクリスタルの飼育への活用目的と使い方

メントールクリスタル(以後メントールと表記)は、アメリカでは蜜蜂への使用薬剤として承認済みです。日本では現在未承認です。

<使用の実態>1.分蜂群捕獲からの飼育に多くの方々がメントールをスノコ枠に入れておられます。その目的はアカリンダニの予防とされています。しかし、春から初秋までに大繁殖の実例報告も聞いた事は無く、私も経験した事もありません。私の使用はメントール30gを固形1個にして消費量の軽減タイプで、4月~10月まで使用し、残りを粉砕して11月~3月まで2回/月の感染予防に使用しています。4月~10月までの期間は、徘徊等の事実も無い中なので改善効果が確認できないので予防評言しか出来ないのです。11月~3月まではダニ寄生が見られない事で効果有りと断定しています。

2.初秋まではダニに寄生された蜂が巣箱に入っても気温が高いのでメントールの気化ガスが巣箱内に有るので駆除対象と成ると解釈しており、効果が認められるものは、メントールを入れている巣箱の方がスムシの発生量が格段に少ない事実です。つまり、ツヅリガの侵入を抑制する効果の方が大きいと実感しております。故にメントールの消費の少ない固形化を使用しています。

<越冬期の対応>1.気温20℃を下まわるとメントールの気化は期待できません。そこで月始めにメントール+お湯を使用した駆除を夜間蜂達が戻っている時間に実施します。15日周期の背景は、蜂にダニが入り込んで産卵しふ化後の這い出しに約15日程掛かるとの検知から行っている次第です。令和5年度の発生は0件でした。

<突起事項>➀お湯(高温)を用いてメントールの気化ガスを強制的に発生させる目的は、巣場全域にガスを侵入させ、ダニが寄生した蜂達の呼吸に合わせて吸引頂く事でダニを死滅させる事を目的に行うものです。蜂達はご存じの通り空気を吸って酸素を取り入れていますので、巣箱の巣門を塞ぎ、ガスを充満させる行為やガスを長時間発生させる事は健康な蜂達の大量死を招くので、絶対避けて下さい。90℃のお湯も約30分程で常温に成るのでガス放出は40分程を見込んで下さい。

➁メントールの効果確認実験結果

アカリンダニ寄生による徘徊蜂を約10匹2ℓボトルに入れると、ボトルの底を徘徊しボトル側壁をよじ登る蜂は0匹。そこにメント―ルガスを流し込むと、約20分後には徘徊していた蜂達が2ℓボトルの最上部まで這い上がり、ボトル側壁を自由にはい回ります。この結果よりメントールは駆除に効くと判断され、ダニが少し入った蜂はダニが死滅する事で元気に成る事が立証できたと思っております

メントールクリスタルを固形成型する理由

購入時は細い棒状で顆粒的存在です。このまま30g程を容器に取り、巣箱内に入れる空気に触れる総表面積が広く、気化ガスが多く出る為、分蜂直後の蜂達はガスを嫌って逃亡します。  私の実験結果では、3段巣箱の上に30gの固形を置いて分蜂群を巣箱に上がらせた所、2段巣箱までしか上に昇らず、メントールを取り去るとスノコまで上がりました。つまり、蜂達もメントールの漂う場所は嫌う事が判明しました。(夏の猛暑時は顆粒の場合溶けますので要注意です)

以上の実験結果から、分蜂群収容後約1カ月経過し、花粉持ち込みが品番に行い群れが安定した時期から30gの固形を置く様にしています。この処置での逃亡は一度も発生は有りません。

 

分蜂群を収容する巣箱の準備について

この時期に分蜂群を捉える巣箱の形態は、巣門枠+巣箱2段+スノコ枠+スノコ枠蓋を一体に組立し、全てを連結します。待ち箱として使用する際は、巣箱台と雨避けも連結する事をお勧めします。これら理由は、捕獲時設置時に必要な場所に即刻移動したり、運ぶ手間を一回で済ます事で付帯する事項を完璧に行う事でミスや準備忘れを防ぐ為です。

巣箱の連結は、3面の接続点を小さい板片でビス止めすれば行えます。

アカリンダニの寄生評価の目安

アカリンダニが寄生による日本蜜蜂の症状

アカリンダニが寄生した直後は下痢便をする蜂が発生すると推測している。理由は、下痢便が見られる場所は、巣箱より高い白系の壁・アルミ脚立・雨樋など3~5mの位置に多く見られる事から、飛ぶ事が出来る段階に見られる行為であり初歩段階と理解しています。巣箱の周りに下痢便確認できる物が無い場合は、ビニールの肥料袋や米袋をポールや木に吊るす事で下痢便の発見がし易いと思われます。

➁巣箱から這い出し、飛べずに地面に落ち徘徊(Kウイング)する段階は、多くの方が発信している通り気管が黒く汚れており、寄生による末期症状と思われる。

対策と処置

➀下痢便の状態も少しの段階でメントール+お湯によるメントールガスを巣箱内に送りダニを駆除する事で群れの消滅は防ぐ事が出来ます。➁の段階でも巣板2枚程度の露出なら同様に駆除出来ますが、蜂の群れがソフトボール代に減少すると回復確率は50%以下に成ります。

越冬の期間11月~3月にアカリンダニ寄生を防ぐ方策は、15日周期にメントールガスによる駆除を行う事で、越冬群をアカリンダニから守る事が可能です。

 

立体スノコの使用実績

昨年採用した立体スノコの使用実績は、スリットに沿った巣板は75%程でした。スノコに平行に作られた巣板は、V字型に形成され確りしており、使用後の掃除もヒートガンで余分な蝋を落とす事が出来、通常の9㎜フラットベニアと差は感じない結果でした。

スムシの侵入度合いは、スムシの食い込んだ形跡は無く、今年度も大いに活用したいと思います。昨年製作した立体スノコの材料は、フローリング用ベニアを使用しており、材料としては最高品質のベニア板を使用した事もスムシの食い込みを阻止した要因も考えられます。

 

アカリンダニ寄生の予防策

11月も後半と成り、アカリンダニ寄生が気に成る頃と成りました。   そこで、寄生の初期段階からの予防処置として二回/月の駆除をお勧めします。詳細はパスワードを取得し閲覧下さい。

 

10月目前・今年最後の採蜜と越冬への準備をしましょう

朝晩気温も下がり巣板も硬く成り、採蜜に適した季節なので次の点に注意して実施しましょう。

採蜜の条件

巣板の伸びが巣箱4段以上(巣箱15㎝基準)に達した巣箱は3段残して採蜜して下さい。越冬させるには巣板3段以上空き箱1段未満に巣箱を調整します。理由⇒巣板3段が蜂達が越冬時に温度管理する限界と考えられます。3段以上残すと上段は管理が出来ないため結晶化します。結晶化した蜜は5月~6月に成らないと解凍されない為、越冬時と分蜂時の蜜不足を招く事に成ります。3段でも角の結晶が発生します。今年も早くから熱い日が続いた関係で、巣板の伸びが2~3段と少ない群れが見られますので、この様な群れの採蜜は見送って下さい。

採蜜の方法

①スノコ枠を切り離したら、巣箱の切り離し方向を巣板に対し、直角方向から切断ワイヤーを掛けて切って下さい。➁金属ザルにオーガンジーを敷いて巣板を出来るだけ細かく切り刻む事で、蜜落としが早く落ちた蜜も奇麗が得られます。

立体スノコの検証結果

今年、12㎜のベニア板を用いてスノコ形状を写真の通り立体化を試みました。

この様に奇麗に巣板の形成が得られました。

巣箱リフターの使い方

2023年異例の初分蜂を女王捕獲で達成

2023-3-28佐藤宅で2群の分蜂が始まった。

1群目は、11時30分集合板6個とキンリョウヘン2鉢を無視し手柿の木に蜂球、網で強制捕獲し巣箱に自主入居させた。(通常の捕獲)

2群目は、12時30分椿の根元の苔むした場所地上0~50㎝への一部が集結。(本巣から5m)

➀椿に集結群

 

 

 

 

もう一部がと当日の朝製作した集合板に蜂球した。椿集結が最初につき近寄って監視していると地面近くに女王を発見、即座に右手指先で捕獲し、集合板に持って行き蜂球群に解放した。(集合板は本巣より8m)

②新設集合板に蜂球

 

 

 

 

 

 

群れが落ち着いた集合板をビールケースに降ろし巣箱をかぶせ10分で巣箱収容した。一部か飛び上がったがすぐに収まった。

➂集合板群の捕獲

続いて、巣箱全体を椿の根元に移動、すると椿に集結した②新設集合板に蜂球 群れが巣箱への移動を開始。15分で移動が完了した。

④根元集結群の収容

 

 

 

 

 

 

 

2カ所に分散群を女王の居る群れから巣箱に収容、残る椿根元の群れに女王が収容されている巣箱を近くに移動する事で全軍の収容をはたした。

➄全群を収容した巣箱内部

今までキンリョウヘン鉢の2か所への分散は経験し、1ヶ所に鉢を集めていた。今回は偶々女王を発見したので作業し易い方法を取れたが、集結した群れの観察に寄り女王の存在する群れから収容すると捕獲が容易に行える事を学びました。

巣箱内での巣板の密度アップの考察

➀.トップバー方式のスノコの改善

1➀.トップバー方式のスノコの改善

現在使用している巣箱は、巣板が7枚か8枚が通常形成されており、80%以上は巣箱に斜めにつくられる場合が多く、6~8㎜スリットも6本に決めておりました。この条件決定は、巣枠式巣箱仕様を参考にスリットを作り、巣枠幅35~36㎜で行っていましたが、昨年1群が巣箱にほぼ平行に巣板9枚を作った群れが有りました。

左写真下に示す通り、スリット6本、巣板7枚を想定したスノコです。この巣板に9枚巣板を形成 右写真が実際の巣板写真です。巣板の数が多く巣板密度が上がり蜜も多いのではないか…?。写真で示す通り、巣板9枚、スリット10本の構成を確認しました。

 

このような結果は初めてで有り、驚くと当時にわたしが想定した巣板7枚は蜂達の巣板設計とは食い違いを感じ、改めて巣板を計測を行いました。すると、巣板幅は約25㎜、スリット6㎜幅10本で、私の巣箱内形285㎜そのものでした。つまり、巣板の間隔は31㎜が日本蜜蜂の幅であり、巣板とスリット1本の幅で良いと理解しました。洋蜂寸法では広すぎる事に気付かされ、洋蜂は体も大きく巣房も日本蜜蜂より長く必要なので巣板幅も広いと納得した次第です。この結果を基に9枚巣板のトップバー方式のスノコにも採用し、今年の分蜂群に間に合えば製作し検証したいと思っております。