メントールクリスタルの飼育への活用目的と使い方

メントールクリスタルの飼育への活用目的と使い方

メントールクリスタル(以後メントールと表記)は、アメリカでは蜜蜂への使用薬剤として承認済みです。日本では現在未承認です。

<使用の実態>1.分蜂群捕獲からの飼育に多くの方々がメントールをスノコ枠に入れておられます。その目的はアカリンダニの予防とされています。しかし、春から初秋までに大繁殖の実例報告も聞いた事は無く、私も経験した事もありません。私の使用はメントール30gを固形1個にして消費量の軽減タイプで、4月~10月まで使用し、残りを粉砕して11月~3月まで2回/月の感染予防に使用しています。4月~10月までの期間は、徘徊等の事実も無い中なので改善効果が確認できないので予防評言しか出来ないのです。11月~3月まではダニ寄生が見られない事で効果有りと断定しています。

2.初秋まではダニに寄生された蜂が巣箱に入っても気温が高いのでメントールの気化ガスが巣箱内に有るので駆除対象と成ると解釈しており、効果が認められるものは、メントールを入れている巣箱の方がスムシの発生量が格段に少ない事実です。つまり、ツヅリガの侵入を抑制する効果の方が大きいと実感しております。故にメントールの消費の少ない固形化を使用しています。

<越冬期の対応>1.気温20℃を下まわるとメントールの気化は期待できません。そこで月始めにメントール+お湯を使用した駆除を夜間蜂達が戻っている時間に実施します。15日周期の背景は、蜂にダニが入り込んで産卵しふ化後の這い出しに約15日程掛かるとの検知から行っている次第です。令和5年度の発生は0件でした。

<突起事項>➀お湯(高温)を用いてメントールの気化ガスを強制的に発生させる目的は、巣場全域にガスを侵入させ、ダニが寄生した蜂達の呼吸に合わせて吸引頂く事でダニを死滅させる事を目的に行うものです。蜂達はご存じの通り空気を吸って酸素を取り入れていますので、巣箱の巣門を塞ぎ、ガスを充満させる行為やガスを長時間発生させる事は健康な蜂達の大量死を招くので、絶対避けて下さい。90℃のお湯も約30分程で常温に成るのでガス放出は40分程を見込んで下さい。

➁メントールの効果確認実験結果

アカリンダニ寄生による徘徊蜂を約10匹2ℓボトルに入れると、ボトルの底を徘徊しボトル側壁をよじ登る蜂は0匹。そこにメント―ルガスを流し込むと、約20分後には徘徊していた蜂達が2ℓボトルの最上部まで這い上がり、ボトル側壁を自由にはい回ります。この結果よりメントールは駆除に効くと判断され、ダニが少し入った蜂はダニが死滅する事で元気に成る事が立証できたと思っております

メントールクリスタルを固形成型する理由

購入時は細い棒状で顆粒的存在です。このまま30g程を容器に取り、巣箱内に入れる空気に触れる総表面積が広く、気化ガスが多く出る為、分蜂直後の蜂達はガスを嫌って逃亡します。  私の実験結果では、3段巣箱の上に30gの固形を置いて分蜂群を巣箱に上がらせた所、2段巣箱までしか上に昇らず、メントールを取り去るとスノコまで上がりました。つまり、蜂達もメントールの漂う場所は嫌う事が判明しました。(夏の猛暑時は顆粒の場合溶けますので要注意です)

以上の実験結果から、分蜂群収容後約1カ月経過し、花粉持ち込みが品番に行い群れが安定した時期から30gの固形を置く様にしています。この処置での逃亡は一度も発生は有りません。