巣箱内での巣板の密度アップの考察
➀.トップバー方式のスノコの改善
1➀.トップバー方式のスノコの改善
現在使用している巣箱は、巣板が7枚か8枚が通常形成されており、80%以上は巣箱に斜めにつくられる場合が多く、6~8㎜スリットも6本に決めておりました。この条件決定は、巣枠式巣箱仕様を参考にスリットを作り、巣枠幅35~36㎜で行っていましたが、昨年1群が巣箱にほぼ平行に巣板9枚を作った群れが有りました。
左写真下に示す通り、スリット6本、巣板7枚を想定したスノコです。この巣板に9枚巣板を形成 右写真が実際の巣板写真です。巣板の数が多く巣板密度が上がり蜜も多いのではないか…?。写真で示す通り、巣板9枚、スリット10本の構成を確認しました。


このような結果は初めてで有り、驚くと当時にわたしが想定した巣板7枚は蜂達の巣板設計とは食い違いを感じ、改めて巣板を計測を行いました。すると、巣板幅は約25㎜、スリット6㎜幅10本で、私の巣箱内形285㎜そのものでした。つまり、巣板の間隔は31㎜が日本蜜蜂の幅であり、巣板とスリット1本の幅で良いと理解しました。洋蜂寸法では広すぎる事に気付かされ、洋蜂は体も大きく巣房も日本蜜蜂より長く必要なので巣板幅も広いと納得した次第です。この結果を基に9枚巣板のトップバー方式のスノコにも採用し、今年の分蜂群に間に合えば製作し検証したいと思っております。

トップバー方式のスノコ加工機が完成 (使い方の改善法を追加)
トップバースノコの加工機を開発し、各種スノコを試作し製作時の作業性と効率の良い方式を見つけた物を、簡易加工機として提供の目途が付いたので報告します。
➀左の開発品では、トリマーの上下をハンドルで行う構造にしたが時間が掛かる為、トリマー自体をマニアルコントロールするように改造した。
➁トリマーに上下させる機能が無い物も、ホルターにトリマーをクランプ機能をOFFのまま手で握り、左右に移動毎に手の間隔で少しずつ下げる事が可能でトリマーをOFFさせる事無く一ライン完成まで連続カットができ、時間短縮が出来上がりも非常に良いスノコが出来ます。
➂写真下の様に、ホルダーの開口部をおおい横にパイプ口の付いたカバーを取り付け、掃除機のホースを取付ける事によりトリマーで削り取った木屑を吸引する事で、木屑の飛びちりが軽減できます。屋内での作業には欠かせない存在です。お試しあれ!!
注意事項 トリマー取付台と加工する板の隙間を極限まで接近させる事が木屑の搬出効果を高めるポイントです。
E-Valve (EWT-450N) ☜トリマーの型式

マキタ( RTB50DZ) ☜トリマーの型式

重箱式巣箱のスノコの改善 (平坦⇒トップバー式に移行実験開始)
巣板の形成方向を巣箱に平行に作らせる為に、従来の9mmから12mmの厚いヘニア板を用いての初の試みとしてトップバー式スノコを計画しました。しかし、試作を開始するもハンドメイドでは列の乱れが生じやすく非常に難しく苦労しました。そこで、トリマーを用いてのスノコ加工機を考案自作した結果、ほぼ納得できるスノコ板が出来上りましたので、今年の分蜂群で実証実験が行えるように会員の皆さんにも供給すべく増産中です。


アカリンダニ感染経路の考察
< 感染経路 >ダニの寄生経路も今だ明確な解析報告も工程機関からの発表も無く、私の想定する経路は、ダニが単独で巣箱に侵入する事は考えにくいので、訪花からの経路と感染蜂の迷い込みを考察しました。外敵ページを確認下さい
アカリンタニ駆除方法への追加
前回、駆除に用いる容器について報告しましたが、一回の駆除に要する消費量が少ないとの報告を受け再度容器を検討した結果、約2倍を超える容器による駆除も可能と成りましたので追加報告します。写真の通り280mlの容器でボリプロピレン製で-20~+140℃に耐えられます。
お湯200ccにメントール10~30gを入れて駆除ができます。100円均店で2個100円


今期もアカリンダニの寄生に注意
今期も12月までに数件の発生が確認されています。早期発見・早期対策が群れを救う唯一の方法です。「寒い時期たから…底板を開けずに見守る」との考えは捨てて夜暗く成った時に内検する事をお勧めします
初期の見分け方 ①巣板1枚がむき出しに成ったらアカリンダニの寄生と判断すべきです。お湯+メントール駆除を即座に行って下さい。 理由⇒初期段階は蜂が死んでも健康な蜂が多い為、即刻運び出して巣箱から離れた場所に捨てに飛び出す為巣箱周りには死骸は有りません。➁巣板が2~3枚見えだすと巣箱周りを徘徊蜂が見えだし、下痢便も確認されると思います。➂巣板の真ん中に円形に蜂達が集まる状態に成ると蜂は全体の1/4に激減したと推測され、駆除しても救済できかわ女王の元気度合いで確率は50%と思われます。
アカリンダニが寄生した場合、巣板が見えだした時点で万延していると捉えるべきです。通常1週間で1/3づつ蜂が減少し1ヶ月で全滅に至るケースが多いと思われます
駆除方法の要点④メントールはお湯(水)には絶対とけませんのでお湯はメントールを気化させる為の熱源と理解して下さい。➄今まで30gにお湯30~50ccとお伝えしましたか、外気温の影響で80℃以上のお湯の冷え方が異なります。そこでお湯が常温(15℃以下)に到達する時間が45分以内ならお湯を増やしても問題は起きないと思います。
現在使用する容器は蓋に穴を大きく開け、玉ねぎネットを張って使用しています。
容器⇒ポリプロピレン製 -20~+140℃ 容積 200ml 外観は⇒75×75×45㎝(写真参照)

スノコ枠の注意点➅スノコの上に作られた盛上げ巣やスリットに蓋をされた蜜蝋は、全て奇麗に取り除いて下さい。理由⇒スノコの上でメントールを気化させた際、ガスが巣箱内にスムースに下ろす為と理解して下さい。
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越冬中の日本蜜蜂群の日常管理について
12月に成り寒さも一段と強まって来ました。蜜蜂の日常管理は群れの観察(巣箱の下からの内検)が一番重要で、群れの状態の変化を真っ先に捉える事に注力して頂きたい。理由は、近年冬に増殖拡大し群れの崩壊を招く「アカリンダニ感染(寄生)」を防ぐ為に行う管理と理解して下さい。尚、発見が早ければ早い程、駆除による回復の確率か向上します。
<アカリンダニ感染の徴候>
➀蜂の数か減少。(巣板居1枚があらわになり、蜂達か片側片寄る。この時期は、元気な蜂達が沢山いるので死んでもすぐに運び出す為巣箱の底板を見ても死骸等は見当たりません。)
➁蜂達が鍋底の状態から蜂柱に集結する。(明確な理由は不明ですが、蜂達は通常逆さに振ら下がりますが感染すると力が弱まる為垂直につかまると推測しています。この現象は強群で時折見受けられます)
➂徘徊・俗に言われている「Kウイング」。(時騒ぎの際に巣箱周辺を10数匹と多く見られる。この頃には、巣板の多くがあらわに成ってくる)
④下痢便のまき散らし。(オレンジ又はブラウンの糞を建物・車・巣箱等比較的明るく色の薄い物に付着するので分かり易い。)
<アカリンダニ感染の駆除のポイントと注意点>
➄駆除は、「熱いお湯+メントール」を巣箱のスノコ上から蒸発したメントールガスで行います。(詳細は別枠に掲載) 注意点は、➅熱いお湯の為ガスも温度が高くスノコ枠内の空気より軽い為、スノコ枠の密閉度を上げて下さい。溶けたメントールはお湯と同化している様に見えますが、けして水・お湯にも決して溶けませんが、濡れると水分が蒸発するとメントールが固まって残ります。➆駆除は蜂か帰還した夕刻~夜に実施して下さい。 ➇30g準備し一回目の実施後10g消費が目標ですが、消費量が少ない場合はお湯を増やし、回数を増やして下さい。巣箱から熱が多く上がると消費が増え、少ないと減りません。スノコと巣板の位置で変化が多いです。
<感染予防策>
感染の徴候が見当たらなくても、感染処置を実施します。頻度は2回/月 ガスの放出時間が30分~1時間なら健全な蜂が死ぬ様なことは有りませんので安心して下さい。但し、巣門の閉鎖は絶対にやめて下さい。蜂も空気を必要としています。密閉等は蜂達が窒息の可能性が有るからです。
5月以降の分蜂群の異変について
5月~の分蜂群成長不振の状況
4月中jまでに分蜂した群れは、10月には例年に近い巣板4段まて成長しましたが、その後分峰した5月以降の群れは2段~3段と著しい成長差が見られ、10月に採蜜出来ない群れが多く発生しました。(巣箱270×270×150・25㎜換算)
<条件>通常分蜂群は、新しい蜂の誕生まで約20日以上を要し、働き蜂の増加を確認できるまで約1ヶ月を要すと理解しています。採蜜は、越冬群は6月末・分蜂群は10月始めに実施している。
<検討>この条件を今年の分蜂群に当てはめた場合、蜂は同様推移したと思いますが、環境面は5月末までは例年とほぼ同じに推移した様ですが、6月の環境は夏日の到来と梅雨が明けが約1ヶ月も早まり、樹木の開花も通常より早まり一斉に開花が早まったと推測しています。通常なら梅雨明けまでの1ヶ月は蜂達が花から花へと集蜜期間が有り7月末頃から蜜枯れ時期が始まるのに、今年梅雨明けが早かった為集蜜の期間が短く、蜂達の増加がリンクしなかった為、蜂達の蜜捕獲量の減少に繋がり巣板成長に大きく影響したものと考えています。果実類の収穫状況等には変化は報じられておら無い事から早まった開花による影響は無かったと思われます。
<採蜜>10月に巣板4段に成長した群れで見られた傾向(写真参照)は、上段巣箱の貯蜜量が例年より2.3割少ない状態でした。通常貯蜜量は隅々まで蜜が蓄えられており、春の分蜂群は10月に1箱の採蜜は必ず行えましたが、今年は2.3段の巣板成長に留まり採蜜見送りが増えています。全国の趣味の養蜂家からも、分蜂直後の採蜜に近いスカスカ貯蜜状況との報告も寄せられております。
写真➀逆光の為見にくいですが、スノコ側で、カット写真ですが蜜がにじみ出る様子は見られず全体的に乾き始めた印象を受けました。
写真➁➀の裏側で2段目との接続部分です。上右と下左の巣房には貯蜜はほとんど有りません。
これらの検討結果から、今年の梅雨明けが早かったこと。夏日の早まりで樹木の開花の早まり開花期間の短かった事で、蜜蜂の集密活動期間が短くなったこと。蜜枯れが3ヶ月に及んだこと。これらの影響により蜜蜂の成長と貯蜜量の不足に繋がったと結論づけしています。巣板2段の群れが越冬に耐えられるか心配しております。
継箱作業の注意点と改善策
日本蜜蜂はおとなしいとされていますが、巣箱に振動衝撃を与えずに静かに少しづつ吊り上げ(持ち上げ)、巣箱を揺すったり回転させない事が、蜂に刺されない為の鉄則で、これを守れないと蜂達は飛び出し刺される結果となります。しかし、重箱式巣箱の場合、巣の成長と共に巣房を下に伸ばす関係で継箱が必要と成ります。現在行われている方法は、①三脚や脚立を巣箱の中央に立て巣箱を滑車等で吊り引き上げる事で新たに巣箱を下に入れる。➁巣箱近くにビールケース等の台を置き、巣箱を抱えて台に仮置きして、新たに巣箱を置き、仮置きした巣箱を戻している。①は巣箱のぶれや回転がおきます。➁は巣箱の重さに負けつい乱暴に扱いがちに成ります。それ故に、継箱作業には防護服等が必要で、一人での作業は難しく成ります。また、継箱作業の弊害は巣箱を重ねる際に、巣箱の4面に居る蜂を追い払う事が難しく挟んで殺してしまう事です。これらの問題点を全て解消できるのが重箱式・巣箱リフターです。一人で10分以内に継箱作業が出来る画期的な物です。防護服無しでの作業が可能で、退職後の趣味で飼育する際に、脚立や三脚の移動によるケガをする事も無く安全で手軽な物を活用をお勧めします。
「後ろの足を長くする事て傾斜地に置かれた巣箱も横からも仕様出来ます」

無王群と健全群の合体について
昨年に続き無王群か巣板1.5段で発生しました。そこで健全群(巣板一部2段)の小さい群れと、合体を試み今年同様成功しました。その方法は、下記写真の通り健全群の下に無王群をいれ5日間放置し、6日目に無王群の巣板を撤去し蜂を巣箱1段追い込み健全群と合体させました。
上部コンパネ(底板)から上が弱小群(女王の居る健全群) 下部巣箱2個が無王群の配置です。(合体初期の写真は撮影しなかった為、再現写真を撮り掲載しています)
底板は上下ともの網つきで下のスノコ枠は蓋無しです。下の無王群は巣門枠付き入り口1個、上の健全群は従来通り4面巣門で両軍とも巣箱台付で重ねました。上の巣箱台は足が有ると距離が遠くなるので足無しを使用。蜂達を5日間観察結果は、健全群の置かれている場所に、突然無王群を置かれたので、上の健全群から働きに出た蜂は入り口が従来低い場所だった為、下の無王群の巣門から入り、間違いに気づくとスノコ枠や入り口から出て上の巣箱に入り直している様です。無王群の多くの蜂は巣の周りを飛んだり上の入り口を覗いたりせわしくしていましたが、争いは見られませんでした。
6日目に無王群の下に新たな巣箱を1個置き、採蜜時の通りブロワーで蜂達を下の箱に降ろして巣板の付いた巣箱2個を取除き、健全群の巣箱と結合しました。この間両軍の争いは目にする事無かったです。
下の写真・今回合体を成功させた巣箱の様子で、健全群巣箱2段に1段追加され3段構成に成りました。
考察 ➀無王群に対し健全群の女王のヘロモンを上から下の無王群に届ける事で、恋焦がれていた女王を近くに感じさせられる事、➁健全群の外勤蜂達いつも通りに帰還した巣箱が違っていただけで、争う気持ちは無い入場で有る事。➂無王群の蜂達は巣箱上部からのヘロモンと同じ匂いの蜂侵入によりあえて戦いを仕掛けない様に感じた。④重ねた期間か長い方が良い様に思います。この点が合体成功要因と思われる。今回無王群の巣板が2段有った為最終段階で巣板と蜂達を分離しての合体で分蜂捕獲時の通り周辺に飛び立つ蜂が居ましたが、蜂球する事も無く1時間以内に合体巣箱に収まってくれました。